嫉

このページの壁紙は空色地図さんからお借りしています

季節ハズレの台風がやってきて、その影響で3日間も雨が降り続き、4日目の今日、ようやく青空が見えた。しかも、台風に吹きこんでいた暖かい空気が残っていて12月だと言うのに、10月下旬くらいの気温だそうだ。

「やっぱり、晴れの日は気分が違うわ!!」
朝から何度もそういいながら、フランは大量の洗濯物を干していた。
ボクが見ている限りで4回も洗濯機とテラスの間を往復していた。

他のみんな故国に帰っていて、ココにいるのはボク達と博士とイワンだけ。その博士とイワンも一昨日から学会があるとかでコズミ博士と旅行中だ。
だから、ソンナに洗濯物がある訳なんてないのに・・・。

だのに、彼女に言わせると、使ってなくってもシーツなどのリネン類は時々洗濯したほうがイイのだそうだし、せっかくの晴天だから、カーテンも洗ってしまいたいのだそうだ。
だから、家庭用としては一番いや、桁外れに大きい15Kの洗濯機を4回も回すほどの大洗濯!になってしまった。

大量の洗濯物を干し終えると今度は研究所内の窓と言う窓を開け放ち、掃除をして回っていた。
ちょっとばかり遅れた昼食を慌ただしく終えると、もう、2時過ぎ。
フランはまた、今日何回目かの
「やっぱり、晴れの日は気分が違うわ!!」
を繰り返しながら洗濯をとりこんだ。

そうして、3時に近くなった頃、フランはようやくテラスでほっと一息ついていた。
「やっぱり、お日様が出ていると違うわね。」
フランはウットリとしたような顔をして、側にいるボクに言った。

「だって、ずーっと家の中に干していても、全然乾かなかった洗濯物が、お日様が出ているって言うだけで半日で乾いちゃうんだもん。」
彼女があんまり嬉しそうに言うものだから、ボクはナンだかオモシロクない気分になってしまった。

「ずいぶんと、嬉しそうだね?」
ボクにしてはずいぶん皮肉な言い方だったと思う。
でも、思わずそう言ってしまった。

当然フランは変に思って
「だって、山のようにあった洗濯物がみんな片付いちゃったんですもの。おまけに、お掃除も思いっきりできて、気分イイじゃない。どうして、そんな風に言うの?」
そう言った。

ボクは後ろからフランを抱きすくめると、彼女の耳元に
「だって、気に入らないんだよ。ボク以外のヤツがキミにそんな嬉しそうな顔をさせていることが、さ。」
と囁いた。

「え?」
フランはほんのり頬を染めて、それでも、ボクの腕の中でおとなしくしている。
「今、なんて?」
「ボク以外のヤツが、キミにそんな顔をさせていることが、気に入らないのさ、ボクとしてはね。」
「気に入らないって、そんな・・・」

フランはちょっと困ったような顔をしてるけど、構うものか。
ボクは、フランの耳元にフッと息をかけると、耳朶を甘噛みし始めた。
「あ・・・・・」
フランは眉根を寄せて甘い吐息を洩らした。

「クヤシイからさ、見せつけてやるんだ。」
「え?」
「キミにあんな顔をさせた太陽にさ。」

つくづく、ボクは幼稚なヤツだと思う。太陽にヤキモチを焼くなんてさ。
だけど、もう、ボクは止まれなくなっていた。

彼女を後ろから羽交い締めにしたまま、服の上から胸を揉みしだき、項に舌を這わせる。
「ジョー・・・こ・・・こんな時間に?・・・こんなところで?」
ボクの意図をはっきりと悟ったフランは、悩ましげな吐息の合間に、やっとのことでボクに抗議する。
「そう、こんな時間に、こんなところでさ。だって、太陽に見せつけてやるんだもの・・・。」

ボクの手は無遠慮に彼女の服の下に潜り込み素肌の上を動き回っている。
胸の先端の蕾が、まるで生き物のように固く隆起してきているのがわかる。
フランは羞恥心からか、声を噛み殺している。
「声を出しても大丈夫だよ。ココには、ボク達の他は誰もいないから。」
「でも・・・。」

研究所は海のすぐ近く、とは言っても観光地でも、海水浴場でもなく、おまけに道路からかなり離れていて、しかも人家があるわけではないので、人はほとんどやって来ない。
ココでこんな事をしていたって、誰かに見られる心配もない。

ボクはますます大胆になってきて、彼女の顔をこちらに向けて、唇を貪る。
フランの躰は大分脱力してきている。なのに、喉の奥のほうに力を込めるようにして、声を洩らさないように懸命に堪えている。

「強情だね、フラン・・・。
大丈夫だって言うのに・・・。」
「そんな・・・/////」
「こんなになってるキミを見てるのはボクと太陽だけだって言うのにさ・・・。」
「だから・・・だから・・・」
フランは半分泣きそうな顔で、ボクに訴えるように言った。
きっとその後には、「ハズカシイのに・・・」って続くんだろうけど、構うものか。ボクは再び彼女の項を味わいながら、今度は胸を露わにする。

「あ・・・ぃや・・・。」
彼女の躰を反転させると、白い肌がボクの目に飛び込んでくる。ずらされた下着が辛うじて彼女に纏わりついてるそのさまは、健康的な筈の太陽の下で、尚更に艶めかしく見える。
陽(ひ)の光に曝された白い乳房にむしゃぶりつくと、わざと音を立てて吸い上げ、すでに固く隆起している先端を舌先で転がすと、フランの顔が快感で歪み始める。そして、ボクは白い肌のそこここに、赤い花びらを散らす。左手は彼女の背中をさまよい、右手はスカートの裾から上を目指すように進む。目的地に到達し茂みに分け入ると、フランの顔がまた歪み始めた。

「く・・・・。」
「我慢・・・しなくてもいいのに・・・。」
彼女のそこは、もうとうに蜜で潤んできている。泉に到達した指でその淵をなぞる。

「お願い・・・。お部屋に連れて行って・・・。」
眼にうっすらと涙を浮かべてフランは言う。正直言って、ボクはこの表情(かお)に、弱いんだ。
「うん・・・。」
不承不承、彼女を抱き上げると、テラスとはガラス1枚隔てただけのサンルームに入る。そして、窓際にあるソファーに彼女の躰をおろした。
ここならば、冬の陽射しが差し込んでいて暖かい。何よりも、ヤツに見せつけるには好都合だって、ボクは思ったから・・・。

「え?お部屋にって・・・言ったのに・・・。」
彼女の抗議をモノともせずに、邪魔な布の一切を取り払うと、僕は彼女に覆い被さった。
彼女の躰をがっちりと押さえこむと
「ボクは、ここで、キミとひとつになりたい・・・。」
そう言って、キスの雨を降らせた。啄ばむようなキスがやがて、互いを絡め取るような濃密なキスに変わる頃、彼女の躰に入っていた力は抜け、ほんのりと桜色に染まってきた。

彼女を抱きしめていた腕を緩め、体を少しだけ離すと、今度は胸を弄り始める。両の乳房を揉みしだき、頂きにある果実を口に含み転がすと、フランの白い躰は、艶声と共に撓り始めた。
片手を先ほどの茂みに差し入れると、もう、とろとろに蜜が溢れてきている。ボクは躰ごと下のほうに下がり、彼女の脚を抱え上げるとその部分を舐め上げた。

「ぁ・・・そ・・・んなこと・・・。」
聞こえないフリをして、彼女の泉に指を挿れ掻き混ぜるように動かし、そして、一番敏感な芽を吸い上げる。ますます蜜が溢れ出してくる。フランは目に涙を浮かべて、溜め息と共に身を捩るようにしている。
(もうイイ頃かな・・・。)そう思ったボクは、さっき気づいたある事をフランに教えた。

「フラン、窓を見てごらん。」
「え?」
思いがけないことを言われて、フランは窓の方を向く・・・・。
フランの目に映ったのは、ボク達が愛し合っている、その姿・・・。
鏡ほど鮮明にではないけれど、窓の向こう側に広がる海のなかに、ボクらの姿が浮かび上がる。

「私達・・・こんなコトしてるの?」
「うん。」
「それに、こんなイヤらしい表情(かお)してるの?」
「イヤらしくなんかないさ。ボクのことを全身で感じてくれているんだもの、むしろキレイだと思うよ。」それだけ言うと、さっきから中に入りたがっていたボク自身で、彼女を貫いた。ボクの言葉に反論する隙を与えないように・・・。

「あぁ・・・・っっ」
「くっっ・・・・」
彼女の締め付けと熱で、意識を持って行かれそうになりながらも、ボクは一生懸命にフランを愛し続ける。
ソファの軋みと振動で、大きく胸を揺らしながら、フランは恍惚の表情を浮かべている。

彼女にこんな表情(かお)をさせるのは、ボクだけ・・・。こんなふうに触れることができるのもボクだけ・・・。
そう、フランはボクのもの。ボク一人のもの。
彼女をボクから奪おうとするヤツは、誰であっても許さない。たとえ、それが太陽であっても。

こんな邪なボクの感情も知らずに、フランは全身でボクを受け止めてくれている。
あたりには、波の音と、溜め息にも似た声、ボクらの体のぶつかる音、睦みあう水音・・・そして、漂う濃密な空気・・・。

一際大きなフランの声が遠くで聞こえる、と同時に、目の前が真っ白になりかけた。
フランの指がボクの背中に食い込んでくる。ボクは懸命に自分を保ちながら、フランを愛し続ける・・・。フランを追い立てるように、自分を打ちつける・・・。
そして・・・フランの腕がだらりと落ちた・・・。

もっと、もっと、いろんなキミを見たい、ボクの目に焼き付けたい。そして、ヤツには、絶対に負けない。その一念で、ボクは精を放った後も自分を失うことなく、彼女のその瞬間をも見つめ続け、休むこともなくフランを弄り続ける。

しばらくして、まだ、夢現の状態にあるフランの体を窓のほうに向けると、ボクは背後の方から、彼女を抱きしめる。
「・・・え・・・・・ジョー!」
振動で意識が戻ったフランはいきなり自分の姿を目にして、身を捩る。
「目を逸らさないで。キミにも見て欲しいから。」
ボクが欲望の塊を注ぎ込んで汚しても尚、どんどんキレイになっていくキミ。白い素肌にボクの刻んだ赤い花弁を散らし、ますます妖艶になっていくキミ。そんなキミの姿を、キミ自身にも知っていて欲しいから。そして、ボクがどんなにキミを愛しているかも、キミに知って欲しいから。

さっき絶頂を迎えた後、穏やかになっていたフランの呼吸がまた乱れ始め、ボクの愛撫を拒むかのように、また、助長するかのように、躰が波打つ。

「ああ・・・・・・・」
「フラン、前を見て・・・。」
フランの躰を抱き起こすと、窓の方を向いて座らせ、彼女とソファの背もたれの間にボクの躰を入り込ませる。
そしてフランを背後から抱きしめるようにして愛し続ける。

彼女の泉は、沈めた指を奥へと導き、彼女の熱と律動とをダイレクトに伝えてくる。それは、彼女の甘い吐息と相俟って、ボクの思考を奪っていくようにも思える。ボクの想いをその指を介して彼女の内側に伝えると、更なる締め付けと潤いとを以って答を返してくる。

乳房は、ボクの掌の中で次第に熱と弾力を持ち、たわわに揺れ蠢き、それとは逆に先端の蕾はますます固く隆起して来ている。
ボクの神経、感覚、思考の全ては、彼女を感じ、愛し、そしてありったけのボクの情熱(きもち)を彼女に伝えよと命令する。
フランは、何かに憑かれたように、ただ、窓ガラスに写るボク達の姿に見入ってる。ボクの全てを感じ、受け容れ、そして、翻弄されつつも尚、視線を逸らそうともせずに、見つめ続けている。

「ジョー・・・・もっと、愛して。もっと、深く、愛して・・・。」
その、フランの一言で、ボクの心の枷がはずれ、ボクはフランの正面に回り後ろに押し倒すと彼女の秘裂をさし貫き、ボクの欲望の全てを叩きつける。

「愛してる 愛してる 愛してる・・・」
何万回言っても足りないくらいに、ボクはキミを愛してる。
だから、だから、キミは誰にも渡さない。
たとえ、相手が仲間であっても。太陽だったとしても。
いや、全世界を敵に回したって構わない。
キミ一人が、ボクの傍にいてくれるなら。ボクを愛していてくれるなら。

「んんんぁ・・・・」
声が一際高くなる。
フランは、少しだけ顔を歪め、白い乳房をボクの目の前に突き出すようにして躰を撓らせている。
ボクの背中に回された腕にグッと力が入り、次の瞬間だらりと落ちたのがわかった。
「フ・・ラ・・・ン・・・・・・」

僕だけの・・・
フ・・・ラ・・・・ン・・・・




                     

                                          2009/05/31