ボクヲミタスモノ

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子供の頃から、僕は一人だった。
友達だと言っていたヤツも、
僕のことを好きだと言って近づいてきたヤツも
いざとなると、みんな僕から去って行った。

欲しいと思っても、叶えられることはなく、
信じていても、大抵は裏切られて、それで終わり。
無限に続く、その繰り返し。
だから、僕はモノゴトに執着しなくなった。

裏切られるのがコワイから、
傷つくのがコワイから、
僕は欲しがるのを止めた。
願うことを止め、信じることを止めた。
自分自身が傷つかない様に、
自分自身をを守る為に、
僕の心は、氷になった。

なのに・・・

いつの頃からだろう。
僕の心の中に、君が棲みついた。
僕の心の氷を溶かすように、
僕の中に、君は棲みついた。

君を知り、君と触れ合うようになって、
人の肌のヌクモリを知った。
心の温かさを知った。

君のヌクモリを知ったから
二人でいることの喜びを知ってしまったから、
僕はもう、一人ではいられなくなった。
慣れていた筈の孤独(ひとり)が、無性に怖くなってしまった。

心のどこかで今も、
孤独が今も口をあけて僕を飲みこもうとしている。
心が孤独に蝕まれている。

僕は時々夢を見る。
君が僕を置き去りにする夢。
僕を置いて、君が何処かへ行ってしまう夢。
切なくて、苦しくて、心が痛くて、
目が覚める。
そして、隣に眠る、君を確かめる。
君のヌクモリにすがりつく。

失くしたくないから、失いたくないから、
僕は、もう、一人になんてなりたくないから、
隣に眠る、君を確かめる。
君のヌクモリにすがりつく。

そんな僕を充たすもの、
それは、君以外にはありえないから
代わりのものなんていらない。
ただ、君だけが欲しい。
僕は君だけが欲しい。

僕は君だけが欲しい。





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                                                     2003/11/25