MayStorm

このページの壁紙は空色地図さんからお借りしました

《act 4》
結局、フランソワーズがジョーの部屋に戻ってきたのは夕方だった。
それまでも、何度かここに来ようとしていたのだが、その度にジェットがそれを阻止していたのだった。ジョーもソレには気づいていた。
「ジェットのヤツ・・・何の恨みがあって・・・」
ジョーは思わず呟いた。
ジェットが、フランソワーズに纏わりついて、あれやこれやしている間に、なぜか、故国に帰っていた、ピュンマやジェロニモまでが戻ってきているのにも、疑問を感じる。
「一体、何が・・・?」

ふと、フランソワーズの足音がこちらに近づいてくるのに気がついて、ジョーはまたベッドに潜り込んだ。この期に及んで、ジョーはまだ、意地を張っている・・・というよりは、フランソワーズとまともに顔を合わせることが照れくさかった。

トントン・・・
(フランだ・・・。)
でも、やはり、ジョーは返事をしない。
「ごめんなさい、入るわね。」
そう言う声がして、フランソワーズが部屋に入ってくる気配がした。

フランソワーズは、ちらっとサイドテーブルを見て、朝食も2時間ほど前に張々湖が届けた(かなり)遅い昼食も、ジョーがしっかりと平らげている事を知り少しだけ安心した。

「ジョー、遅くなってゴメンナサイね。」
またしても、明かに起きている気配はするのに、反応が無い。
「本当は、私からちゃんと話したいんだけど、私と一緒に階下(した)に来てくれない?そうしたら、私の話したかったことが、あなたにもわかってもらえると思うから・・・。」

そう言うと、フランソワーズは、ジョーがかぶっている布団を引っ剥がした。
「あ、でも、その前にシャワーを浴びた方がいいわね。着替えもしなくっちゃ・・・」
「???」
フランソワーズは、ジョーをシャワールームに追いやると着替えを用意する。
「フラン・・・なんで・・・」
シャワーなんか浴びなくっちゃならないんだい?という質問をする暇も与えられずに、
ジョーは言われるがままに、着替えも済ませ、フランソワーズと一緒に階下に下りて行った。

「フラン、これ・・・」
いつもよりも華やかに飾り付けられたリビングには、これまたいつもより少し豪華な料理が並び、メンバーがみな顔をそろえている。
夕方、研究所に着いたばかりのピュンマとジェロニモがジョーに握手を求めてくる。

「久しぶりだね、ジョー。」
「元気にしてたか?」
「うん、見てのとおりだよ。」
「お前の機嫌が悪いってんで、急遽予定を繰り上げて、今から、前祝いってことにしてやったんだ!ありがたく思えよ、ジョー」
3人の和やかな会話に、ジェットが割りこんだ。
「何を言っているんだ、お前が半分以上の原因を作ったくせに!!」
「何を!半分以上はおっさんのせいじゃないかよ!」
「もう、いい加減にしてちょうだい、二人とも・・・。」
フランソワーズのコメカミのあたりがヒクついているのをみた、ジェットとアルベルトはおとなしく、ソファーに腰を下ろした。

皆に勧められるがままに、ジョーは真ん中の一番良い席に腰を下ろすと、いつもの通り、宴会が始まった。しかし、コレが何の為の宴会なのか、誰も言おうとはしない。
ジョーは疑問に思いながらも、空腹に負けて(?)料理や酒を口に運んだ。
少し前にかなり遅めの昼食を食べたとはいえ、中華粥1杯では、いくらそれが張大人特製のものとはいえ、お腹が空いていしまうのは至極当然の事だった。

そして・・・空きっ腹に大量の料理と多量の酒をを摂取した為、元々アルコールに弱い体質のジョーは、何時の間にか眠り込んでしまった。





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                                        2003/05/15