或るひとつの 幸せな風景

このページの壁紙はひまわりの小部屋さんからお借りしています

<Scene  2>

その夜、ボクは意を決して、フランの部屋を訪れた。

さっきまで、練習していたように、いきなり、フランを抱きしめた。
ボクは、いつもは、急に抱きしめるなんて、不埒なことはしないから、
彼女は、ちょっと驚いた様で少しの間抵抗したけれど、すぐにおとなしくなった。

そして、キスの後に、こう言ったんだ。
「フラン、結婚、してくれる?いや、結婚してくれ!」
彼女は、ビックリした様だったけど、瞳に涙を浮かべてコクンとうなずいた。
「よかった、第一関門、突破だ!」正直そう思った。

「びっくりした?」
ボクは、腕の中で涙する彼女に聞いた。
「ええ・・・。だって、突然なんですもの・・・。」
「でも・・・、キミのほうも、ボクをビックリさせるような事、あるんじゃないの?」
「え?????」
「・・・・・」
「ナニもないわよ。」
フランは、きょとんとした顔をしている

「え?だって・・・」
「だって?」
「子供・・・できたんじゃないの?」
「!!!!!」
「だってさ、最近、体調悪そうにしてるしさ、
この前、夜、しようとしたら、断られたじゃないか」
「あれは・・・」
「それにさ、最近、フラン、すっぱいモノばっかり食べているじゃないか。
あれって、子供できた証拠だって、ジェットが・・・あ!!」
もう遅かった。
「そう・・・ジェットが・・・そう言ったのね・・・!!!」
フランの瞳は、怒りに燃えているようだった。
彼女は、ボクの腕をすり抜けると、風のように走って行った。
モチロン、ジェットの部屋を急襲するためにだ・・・。
ボクは、第2関門で、みごとに撃沈されてしまった・・・?




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                                      2003/04/22