<Scene 3>
あの後、タイヘンだったんだ。
研究所中を逃げ回るジェットを追っかけて、フランが猛攻撃をやらかした。
ボクも他のミンナも、、怒り狂うフランを宥めるのに必死だった。
ようやく、フランの怒りが鎮まった頃には、研究所の中は荒れ放題。
以前、BGが研究所を攻撃してきたことがあったんだけど、ちょうどあの後のようだった。
結局、あの頃フランが体調悪そうにしていたのは、ボクのせいで・・・。
子供が・・・なんてことは、なかった、あの時は。
ちょっぴり、ホッとしたような、ちょっぴり、残念だったような・・・、
そんな複雑な気分だった。
だけど・・・///
不意に、パイプオルガンの音色が響くと、ボクの目の前のドアが開き
「おお・・・」という歓声と共に、ギルモア博士に腕を取られたフランが入ってきた。
あの騒動で、ボクのプロポーズはなかった事になるかと思われたが、
子供の事は関係なく・・・という、ボクの熱意(?)が、フランにも判ってもらえて、
ボク達は、晴れて今日という日をを迎えた。
ボクの苦手な記者会見も、チーフやオーナーの計らいで、さっき、無事(?)に済ませる事が出来た。
もっとも、その直前に、彼女からアル事を知らされたボクは、
会見の席上で、うっかりそのことを、洩らしてしまい、明日のスポーツ新聞には、
おまけの記事が付いてしまう事になってしまったが・・・。
博士から託されたボクは、彼女の腕を取り、赤い絨毯のバージンロードを祭壇に向かって進む。
司祭に扮したグレートのお説教の後、アルベルトのオルガン伴奏による賛美歌。
そして、誓いの言葉。
「汝、島村ジョー、この女子を妻として迎え、健やかなる時も病める時も、之を愛し慈しむ事を誓うか?」
「汝、フランソワーズ・アルヌール、この男子を夫として迎え、健やかなる時も病める時も、之を愛し慈しむ事を誓うか?」
「はい、誓います。」
震える声で、でも、はっきりと答える声に、チラッと隣を見たら、彼女の瞳に涙が浮かんでいるのが、白いヴェール越しに見えた。
ボクがフランのことをきれいだと思ったのは、これまでに何度もあったけれど、
この時ほど彼女のことをきれいだと、いや、美しいと思った事はなかった。
フランソワーズ、ボクは誓うよ、ボクらの大切な8人の仲間とここで見守ってくれている人達の前で・・・。
この先、何が起ころうとも、ボクのこの生命(いのち)と能力(ちから)の全てを賭けて、護りきってみせるよ。
キミと、そして・・・。
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2003/04/22